コメント
1. 無題
2. Re:無題
コメントありがとうございます。
見立ては和の要素に欠かせないですよね。見る人の感性というのはそれが読み取れるか、感じ取れるかということですね。陰翳礼讚ですね。
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このタイミングで京都にいくなら、先月オープンした谷口吉生氏設計の「京都国立博物館 平成知新館」。今月のCasaとPenでも特集されていたので読みつつ楽しみにしていました。
最初に谷口建築に触れたのは金沢の鈴木大拙館でした。オープンしてすぐにいったのかな。こじんまりとした建築なのに奥行ある直線的なつくりと大きな窓、そしてそれによるコントラストの強さでむしろ広がりを感じるところに驚きました。そして水面の中央にある瞑想室。仕切られた人工的な池を目の前にしているはずなのに、波紋のひろがりで無限の広さを感じる静謐さがありました。次に谷口建築をしっかり見たのは、去年いったNYのMOMA。谷口建築はなんて「和」なのだろうと金沢で感じたので意外な気さえしましたが、MOMAを観て回ると、ああ、和ではないんだモダンなんだと実感。
MOMAにも水面が。直線的にくりぬかれたような池に、曲線の水面がきらめくと立体的な効果が生々しく映えます。
印象的だったのは、上のフロアから下のフロアを垣間見ることができる構造。奥に見えるのが上のフロアの通路。下のフロアが一部吹き抜けになっているので、さまざまな展示を垣間見ることができとても興味を惹かれます。そしてさらに光と影、密度と抜けのリズムが絶えず繰り返されているため、ハコモノにいる気がしません。
チラリズム。
このような特徴が京都にもまた違った雰囲気ですがしっかりと展開されています。MOMAは明るく広々としたイメージでしたが、平成知新館はよりコントラストが強く、そして日本画などの性質上暗いです。しかしそれがとてもドラマチックな効果に感じられました。たまたまなのか、狙いなのか、落下防止柵が御簾状になっています。その御簾越しに暗い室内で輝く観音像を垣間見る瞬間などは息をのみます。
展示室内は撮影禁止なのが残念。展示室外の館内です。このように吹き抜けや張り出しが繰り返されていてとてもリズミカル。
直線と抜けと水面。
チラリズム。
人口池にはった水に生命力を感じる不思議。
箱と線の繰り返しと水面でできた建築がどうしてこんなに広くて強く、そしてふとその存在感を消すのか不思議で惹かれます。日本の伝統的な建築は木と紙でできていると言うけれど、都市で暮らすわたしたちにはそれはもうなじみの薄いものであり、コンクリートとその直線によるコントラストに似たような親しみを感じて「和」だと感じるのかもしれません。そしてそれは、谷口氏の建築にはひとの気配があればあるほど、心地よい揺らぎを感じるところにも表れているのではと思いました。豊田市美術館や丸亀市猪熊弦一郎現代美術館にもぜひ行ってみたい!