「年金原資保証型 変額個人年金」をFPさんに紹介してもらったことがあります。保険なのに運用できるって一度で二度おいしいんじゃないか?っておもったんです。でも、あれこれ考えた結果やめました。ざっくり言うと、獲らぬ狸が皮算用して脳内回転木馬がぐーるぐーるしてるところをゴルゴに背後から狙われてるなって感じの保険でした。
紹介されたときの記事→「
ソニーさんに相談した結果、おすすめされた保険はコレ」
■保険っていうか、投資信託
死亡保障と投資信託がセットになっている保険なので、保険と投資信託両方の手数料が必要になります。ダブルで払います。それでいいのか!って考えて、やめた。払うなら片っぽだけにしたい。
【保険の内容】
・死亡保障+投資信託
・保険料は一時払い
・措置期間別に年金原資の基本給付最低保証額が変更される(101~110%)
※ちなみに20年の措置期間で105%の最低保証・年金原資から契約初期費用などを支払った残高を積立金として資産運用される
・運用が基本給付額(年金原資・死亡給付金)の105%を超えると運用成果の受け取りができる。
・年金は一括支払、年金支払のどちらかを選べる
だいたいこんな感じ。
【保険部分の手数料】
・契約初期費用
一時払保険料に対して5%(男性58歳、女性66歳までの場合)
・措置期間中の費用
上記契約初期費用を差し引いた積立金に対して年率2.38%(措置期間20年の場合)
※措置期間中の費用は日割りで毎日引かれます
【投資信託部分の手数料】
・信託報酬費
年率1.1575%
※信託報酬費は日割りで毎日引かれます
■年金の受取りにも手数料がかかります
無事年金を受取る時にかかる手数料がありました。一時払いでも、年金払いでも、受取るたびにかかります。まじか!
【年金支払い期間中の手数料】
支払年金金額に対して1%
■結局いくらで運用してて、いくらになってるかわかりずらい
500万円でこの保険に入ろうとした場合を想像してみると…ほわわわ~ん、こんな感じ。
500万円を一時払いします。
契約初期費用が
5%だから、いきなり残り
475万円。
この475万円が積立金として運用されます。
でも1年で手数料分の
3.57375%がマイナスされます。
本当は日割り計算されますが、今回は便宜上年計すると残り
458万円くらいです。(保険部分手数料年率2.38%+投資部分手数料年率1.1575%=合計手数料年率3.5375%)
積立金の運用が基本給付金額の105%以上になったときに運用成果額が支払われます。基本給付金額の105%以上とは525万円以上になったときです。
措置期間の途中で死んだら死亡給付金として500万円もらえます。
もし積立金の運用がうまくいっていたら、そのぶんも含めた額が死亡給付金となります。
年金は、20年の措置期間を置けば積立金原資475万の105%が保障されるので、
500万円は保証されています。運用がうまくいっていたらそれ以上がそのままもらえます。でも年受け取りのたびに
1%マイナスされた額が年金支給されます。つまり年金が最低保証額の500万円だとすると、これを一括受取りしたら
495万になるってことです。
■年金部分について考えたら、ふつうに定期預金!
500万円の年金原資だったとしても、受け取り時に1%の手数料が引かれて495万になるわけかあ…。でも運用成果額があれば、いくらだったらこうで、あーだったらこうで、ウーだったら怪獣で…ってもう考え出すとキリがない!取らぬ狸の皮算用してる背後から虎視眈眈と狙われてる感じがするー!!俺の後ろに立つな!byゴルゴ
ああ、もうこうなったら、年金のことだけ考えたら、お小遣い(運用成果金)いらないから、定期預金でいい!500万円を金利0.025%の定期預金に入れたとしたら、20年で利息が25,000円(税抜前)もらえるし、引き出すときも時間外手数料に気をつければ0円でしょ。ぜったい25, 000円増える定期預金VS必ず1%減る変額個人年金!キー!!ってなった、なりました。もうね、年金原資のためにあらゆる手数料に目をつぶったのに、受け取るときに1%ってのが、ああもう、ダメだった!キー!
■運用部分について考えたら、ネット証券でインデックス投資!
この保険の積立部分は何に投資してるかっていうと、各種インデックス投資信託なんです。なのに信託報酬費が年率1.1575%って、ネット証券で買うインデックスファンドの何倍っすか!?って話です。
たとえば日本株はTOPIXに連動したインデックスファンドに投資していますと書いてありました。それなら「
SMT TOPIXインデックスファンド」を自分でネット証券で買えば、信託報酬はたったの0.3996%(税込)です。もちろん購入手数料無料。増えた分はそのまま受け取れるし、解約手数料もないです。そのかわり元本は割れることがあります。
■年金原資保証と元本保証は違う年金原資保証というと年金がまるごともらえそうだけど、年金受取り時に1%減るからそうじゃないんだよね、あくまで「原資」が保証されてるだけ。預けたお金をまったく減らさずにまるごと受け取りたいなら銀行預金だよなあ。しかも預金ならちょびっと増えるよ。年金原資保証と元本保証とがごっちゃになるとこの保険がおいしく感じちゃうかも。もしかすると運用成果金っていうお小遣いがでるなら、この1%なんてリカバリーできる「かも」しれないもんね。
でも、たかが1%されど1%。運用期間中はお高めの投資信託を買ったんだ、しかも年金原資保証なんだと目をつぶったとしても、年金が減るのはどーなんだろか。必ず受取り時に1%減る年金。安心して欲をはれるかわりに、後ろから欲の皮をつつかれていろいろこぼしてる感じがするよなあ。だから!俺の後ろに立つな!byゴルゴ
預けたお金は受取る度に1%減ってもいいから、インデックス投資をひとにやってもらいたい。そしてお小遣い(運用成果金)がもらえる可能性があるってうれしい!そのためなら高い手数料もかまわないわ!という方にはいいのかも。もはや守りたいんだか攻めたいんだか、堅実なんだか欲張りなんだかわかんないけど。でもこのどっちつかずのアイウォンチューな感じが、どっちつかずなのにとりあえず欲張りさんなありのままのキミがかわいいぞって抱きしめてくれる、そんな感じで世の中でモテてる保険なのかも。これで外貨建てとかあるしね。イケメン胸毛もじゃもじゃに抱きしめてもらう感じ。ああ、モテの秘訣はまさかの変額個人年金保険にあったのかっ!?奥深いぞ!毛深いぞ!変額個人年金保険!入らなかったけど!!
そしてわたしがあーだこーだぐるぐる言っている傍らで、「
中長期で資産運用」のフクリさんはバッサリ一瞬で斬り捨ててますので、ぜひそちらをご参考になさってください。
高コストすぎて怒りの解約~一時払変額年金保険「アイエヌジースマートデザイン123」
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