フェルメールとレンブラント 17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展を観てきました。 なぜ親しみを感じるような日常風景や肖像画が多いのか、なぜ宗教画が少ないのかなど、オランダ絵画の特徴を時代背景を含めて詳しくでも簡単に解説してくれている展示でした。
「フェルメールとレンブラント 17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち」展
森アーツセンターギャラリー
「フェルメールとレンブラント 17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち」展会期:2016年1月14日(木)-2016年3月31日(木)
全作品リスト (PDF)
http://www.tbs.co.jp/vermeer2016/works/list.pdfフェルメール「水差しを持つ女」とレンブラント「ベローナ」が目玉です。どちらも日本初公開なのでさぞかしにぎわってるのかと思いきや、平日の18時すぎにいったらそうでもなく。それぞれしばらく独り占めできるくらい空いていました。夜に行くのオススメ。
「水差しを持つ女」
フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」はドキッとする眼差しで、見てるつもりのじぶんが少女に見られる側に反転していたり、「レースを編む女」は彼女の隣に座ってその手元をみつめているような、画布の延長にじぶんがいるような気になります。
でも「水差しを持つ女」は作品とじぶんの間にキチンと一線があり、絵画の鑑賞者であることをシッカリと自覚させられます。それが静かで心地イイ!そうして眺めていると、朝日と整えられた日常の持つ清らかさが際立って目に飛び込んでくるし、日常を通して信仰を行うプロテスタンティズムの理想を感じられる気もします。
また青と黄色の繰り返しのリズムが美しく見飽きないところが大きな魅力。女性の衣装や水差しまでは青と黄色のビビットなコントラストが目立ち、テーブルへと目線を動かしていくと生活の香り(織物や小箱、背景の地図)が組み込まれ、青と黄色のコントラストは徐々に弱まりながら繰り返しが続きます。そのおさえたリズムにのってテーブルの織物や小箱のリボンに興味をひかれていくと、今度は絵の中の日常に対する親しみ感が徐々に強まっていきます。
最初は、ちょっと気後れする~!と思ってた子が、ちょっと話してみたらすっごく親しみやすくて、わー!好き!みたいな気持ちになる。そんな感じ。
フランス・ハルス
一番すきな画家は誰ですか?って聞かれたら、フランス・ハルスです。こういうおじさん、こういうおねーさん、いるなあって。エミール・ゾラの作品に出てきそうな、生々しい人物像に愛着を覚えます。
そんなハルスの作品も2点展示されていました。フェルメールとレンブラントだけじゃ観に行かなかったと思う、この展覧会。ハルスと比較鑑賞できるところがわたしとしては面白かったです。
ハルスの作品は、「男性の肖像(聖職者)」と「ひだ襟をつけた男の肖像」の2点がありましたが、どちらも派手さはなくともそのタッチが生む生命感は十分感じられます。音声ガイドではぶれているようなタッチは、その指がまさに今動いているようだと解説していました。いわれてみるとそうかも。今の新しいiphoneって写真がちょびっと動くんでしょ?あんな感じかな。
フェルメールとレンブラント展、オランダ絵画ってなんだろな?に十分こたえてくれる展覧会でした。そしてぜひ音声ガイドをかりてみてください。時代背景などを詳しく簡単に説明してくれているのでとってもわかりやすいです。あと、東京都美術館のボッティチェリ展に行く方は、フェルメールとレンブラント展の半券をお忘れなく!100円引きになります。
美術館で快適に鑑賞するために気をつけたいこと3つ↓
頼むからコレだけは守ってくれ!美術館・博物館での鑑賞マナー3つ(土下座)
- 関連記事
-