インデックス投資女子 Around40 Happy Life ≫ 美術館・博物館 ≫ 世田谷美術館「ファッション史の愉しみ」展

世田谷美術館のファッション史の愉しみ展に行ってきました。図録とは別にあるこの読本が読み応え合ってよかったです。500円なり。
世田谷美術館「ファッション史の愉しみ」展
会期:2016年2月13日(土)~4月10日(日)
時間:10:00~18:00
※最終入館は閉館の30分前まで
西洋服飾史研究家・石山彰氏(1918-2011)のコレクションを中心に16世紀から20世紀のファッション史を学ぶことができます。西洋のファッションが明治期にどのように日本に浸透していったかを、錦絵を通して知ることができます。
石山彰氏のコレクションである、ファッションプレートと呼ばれる、いまでいうファッション誌の元となった版画がたくさん展示してあります。ファッションってものがいかにして王侯貴族から一般の女性(といってもお金持ちのひとたちだけど)に広まったかとか、そういうことを実感を持って知ることができます。
神戸ファッション美術館所蔵のドレスが時代ごとにずらりと並んでいます。HPを見ても写真はないので、ここまで大量に展示されているとは知りませんでした。その時代のファッションプレートと実物のドレスを見ることができる展示は、時代ごとの特徴を理解しやすかったです。
ファッションというと肉体に身につけた被服のこと、というイメージがあるけど、この展示を見ていると肉体と被服の間にある矯正部分にも興味がわきます。
コルセットやクリノリンなどはわかりやすい矯正器具だけど、襟ぐりの深さ、浅さ、複雑なプリーツやフリルもまた肉体を盛ったり減らしたりする矯正的な役割に大活躍ってことがわかります。それを通してその時代ごとに求められている女性美が見えてきます。
18世紀から20世紀初頭までのドレスを眺めていると、あー、あのストーリーの主人公たちはこんな服を着ていたのか!とミーハー気分で楽しめます。昭和の女の子は小学生のころ、「ベルサイユのバラ」を見てドレスの絵を描いたりしてたでしょ?でもさ、アニメはその辺りが雑なのよ。原作をみるとまだ描き込みがあって面白いんだけど、あー、袖ってどーなってたっけー?とか、フリルってどんなカタチで何段あるものなの?とか。いろいろモヤッたことがあります。
フランス革命後は、ジェーン・オースティン(「分別と多感
(映画「いつか晴れた日に [DVD]
」)」、高慢と偏見
(映画「プライドと偏見
」)、エマ
(映画も同タイトル))の作品でよく見かける、モスリンの薄地のハイウエストドレス。可憐で繊細。薄地すぎて当時のイギリスフランスでは肺炎で死亡する女性が増えたとか聞いたことがあります。
世紀末はコレット「シェリ
」(映画も同タイトル)の世界。ウエストが極端に細く、バッスルでバックスタイルを優美に見せるフォルム。映画は現代風の女性美にならっているので、実際の19世紀末の女性美とは全く違っています。あまりある脂肪をコルセットに押し込めて、靴下の先で色気を感じるなんていう艶かしさは小説のほうが面白いです。
20世紀初頭からアールデコにかけては、シェリの続編「シェリの最後 (岩波文庫)
」と「ダウントン・アビー
」の世界。両作品とも世紀末的なアールヌーボな美からアールデコの美にガラリと一変するところが面白い演出になってるんだけど、特にシェリを読むとその時代の変化への戸惑いなんかも読み取れて面白いです。そしてこの展示をみると、その戸惑いにも納得。これまでの美がまったく覆されるような変化になっています。
ダウントンアビーのヴァイオレットおばあさまは、若い頃はバッスルぶりんぶりんのドレスを着ていたはずで、その頃の下着より軽装であるアールデコのジャズエイジなファッションを着てうろちょろしている親戚の娘なんかを見かけることになっちゃうわけだよなーと、なんだか同情しちゃったりもします(なぜかヴァイオレット目線)。
わたしの祖母は明治末期の生まれで、102歳まで生きていました。同居をしていなかったのであまり会話をする機会がありませんでしたが、アールデコやその後のアメリカンスタイルなど、どんなふうに見てたのかなとじっくり話してみたかったなあ。「ようしらん!」で終わりそうだけど(1回ためしたら、それで終わった)。










世田谷美術館「ファッション史の愉しみ」展
- 2016/03/25

世田谷美術館のファッション史の愉しみ展に行ってきました。図録とは別にあるこの読本が読み応え合ってよかったです。500円なり。
「ファッション史の愉しみ」展

会期:2016年2月13日(土)~4月10日(日)
時間:10:00~18:00
※最終入館は閉館の30分前まで
西洋服飾史研究家・石山彰氏(1918-2011)のコレクションを中心に16世紀から20世紀のファッション史を学ぶことができます。西洋のファッションが明治期にどのように日本に浸透していったかを、錦絵を通して知ることができます。
実物のドレスがすごい!
石山彰氏のコレクションである、ファッションプレートと呼ばれる、いまでいうファッション誌の元となった版画がたくさん展示してあります。ファッションってものがいかにして王侯貴族から一般の女性(といってもお金持ちのひとたちだけど)に広まったかとか、そういうことを実感を持って知ることができます。
神戸ファッション美術館所蔵のドレスが時代ごとにずらりと並んでいます。HPを見ても写真はないので、ここまで大量に展示されているとは知りませんでした。その時代のファッションプレートと実物のドレスを見ることができる展示は、時代ごとの特徴を理解しやすかったです。
ファッションとは外側でなく内側=肉体
ファッションというと肉体に身につけた被服のこと、というイメージがあるけど、この展示を見ていると肉体と被服の間にある矯正部分にも興味がわきます。
コルセットやクリノリンなどはわかりやすい矯正器具だけど、襟ぐりの深さ、浅さ、複雑なプリーツやフリルもまた肉体を盛ったり減らしたりする矯正的な役割に大活躍ってことがわかります。それを通してその時代ごとに求められている女性美が見えてきます。
ベルバラ!オースティン!シェリ!ダウントンアビー!
18世紀から20世紀初頭までのドレスを眺めていると、あー、あのストーリーの主人公たちはこんな服を着ていたのか!とミーハー気分で楽しめます。昭和の女の子は小学生のころ、「ベルサイユのバラ」を見てドレスの絵を描いたりしてたでしょ?でもさ、アニメはその辺りが雑なのよ。原作をみるとまだ描き込みがあって面白いんだけど、あー、袖ってどーなってたっけー?とか、フリルってどんなカタチで何段あるものなの?とか。いろいろモヤッたことがあります。
フランス革命後は、ジェーン・オースティン(「分別と多感
世紀末はコレット「シェリ
20世紀初頭からアールデコにかけては、シェリの続編「シェリの最後 (岩波文庫)
」の世界。両作品とも世紀末的なアールヌーボな美からアールデコの美にガラリと一変するところが面白い演出になってるんだけど、特にシェリを読むとその時代の変化への戸惑いなんかも読み取れて面白いです。そしてこの展示をみると、その戸惑いにも納得。これまでの美がまったく覆されるような変化になっています。
ダウントンアビーのヴァイオレットおばあさまは、若い頃はバッスルぶりんぶりんのドレスを着ていたはずで、その頃の下着より軽装であるアールデコのジャズエイジなファッションを着てうろちょろしている親戚の娘なんかを見かけることになっちゃうわけだよなーと、なんだか同情しちゃったりもします(なぜかヴァイオレット目線)。
わたしの祖母は明治末期の生まれで、102歳まで生きていました。同居をしていなかったのであまり会話をする機会がありませんでしたが、アールデコやその後のアメリカンスタイルなど、どんなふうに見てたのかなとじっくり話してみたかったなあ。「ようしらん!」で終わりそうだけど(1回ためしたら、それで終わった)。
- 関連記事
貯蓄の中身を3つにわけています。来年必ず使うぶん、何かあったら使うぶん、そして老後資金。来年必ず使うぶんは貯蓄だけど貯蓄じゃない。 ホーム
サラリーマンとフリーランスの税金に対する意識ってそんなに違うのかな?