インデックス投資女子 Around40 Happy Life ≫ 読書 ≫ 【4月 読書メモ】「エレンディラ」、「白」、「自分の仕事をつくる」

4月に読んだ本。ますます減って僅か3冊。
4月に行った新国立美術館の「はじまり、美の饗宴展 すばらしき大原美術館コレクション」展で(記事にしわすれてることに今気づいた…)、現代美術家やなぎみわ氏の寓話シリーズ「エレンディラ」を観て、原作を読むことに。幻想的と言わせない地に足の着いたえげつなさからひとがどうしても持っている美しい部分が出て来てしまう面白さがある。エレンディラのおばあちゃんが嫌いになれない。ちなみに、やなぎみわ氏の作品で好きなシリーズは「マイグランドマザーズ」。
原研哉さんといえば、白。長野オリンピックの開会式プログラムが印象的。2020年のオリンピックロゴ案もよかった。三越みたいだったけど、展開していくとダイナミックでどこまでも続いていけそうで、みんなが主役になるようなデザインだったなあ。この「白」をよむと、なんであのデザインなのかなってのがちょっとわかるような気がする。「白」ってのはなにもないんじゃなくって、エンプティネス、なんでもはいることができる可能性なんだよって。古来の図象を進化させて使うよりも、古来からの心象をいかに今らしく表現するかのほうがずっと難しいし、ずっとチャレンジングだと思う。新記録がたくさんでるオリンピックなんだから、ロゴだってみたことない領域のものじゃなきゃつまんない。何度も読み返す一冊。
働き方研究家 西村佳哲氏による、いろんなひとの「働き方」の本。職場を訪ねてインタビューしまくってるので生き生きしてる。自己啓発の本とかよりずっと具体的でずっと面白くて好き。いまはもう亡くなってしまってるけどその製品や空間が好きだったなーっていう、柳宗理さん、ヨーガンレールさん、馬場浩史さんなんかの話は、そのひとらしさがそのひとの仕事らしさになっていて、かっこいい。そんなのは有名なひとだからだとか、秀でたひとだからだと言うのは簡単だけど、あなたはそう言って逃げてませんか?と追っかけてくる本。「社畜」と甘えたコトバをつかうひとは146ページからの「仕事を自分の仕事にする」というトコを読むと、ぎくっとするかもしれない。しなかったらまさに「社畜」か。
美術展に行ってこの本を読もうってなるのは結構あって、知識と知識の芋づる式しりとりみたいな読書は、できるだけやろうと思ってます。「白」にも「自分の仕事をつくる」にも、無印良品を美しくしあげた原研哉さんと深澤直人さんがいるし、深澤直人さんはいま日本民藝館の館長に就任されていて、それは言わずもがな、柳宗理さんの父・柳宗悦が興した民藝運動の美術館。「用の美」を追求する民藝運動は益子や松本、鳥取などでも盛んに活動が行われ、ちょっと前の益子ではスターネットの馬場浩史さんの活動は今風の民藝運動なのかもしれないなんて感じていました。家で麦茶を沸かしている柳宗理さんデザインのヤカンが、利休以来の新しい用の美を提唱する民藝運動の端の端にいる、そんな面白いやつなのかもしれないなんて思うと、毎日の暮らしもおもしろくなっていく気がします。人生を豊かに面白くするのは、情報や知識をどうやってじぶん自身に落とし込んで楽しむかってことなんだと思う。

【4月 読書メモ】「エレンディラ」、「白」、「自分の仕事をつくる」
- 2016/05/03

4月に読んだ本。ますます減って僅か3冊。
ガルシア・マルケス「エレンディラ」
4月に行った新国立美術館の「はじまり、美の饗宴展 すばらしき大原美術館コレクション」展で(記事にしわすれてることに今気づいた…)、現代美術家やなぎみわ氏の寓話シリーズ「エレンディラ」を観て、原作を読むことに。幻想的と言わせない地に足の着いたえげつなさからひとがどうしても持っている美しい部分が出て来てしまう面白さがある。エレンディラのおばあちゃんが嫌いになれない。ちなみに、やなぎみわ氏の作品で好きなシリーズは「マイグランドマザーズ」。
原研哉「白」
原研哉さんといえば、白。長野オリンピックの開会式プログラムが印象的。2020年のオリンピックロゴ案もよかった。三越みたいだったけど、展開していくとダイナミックでどこまでも続いていけそうで、みんなが主役になるようなデザインだったなあ。この「白」をよむと、なんであのデザインなのかなってのがちょっとわかるような気がする。「白」ってのはなにもないんじゃなくって、エンプティネス、なんでもはいることができる可能性なんだよって。古来の図象を進化させて使うよりも、古来からの心象をいかに今らしく表現するかのほうがずっと難しいし、ずっとチャレンジングだと思う。新記録がたくさんでるオリンピックなんだから、ロゴだってみたことない領域のものじゃなきゃつまんない。何度も読み返す一冊。
西村佳哲「自分の仕事をつくる」
働き方研究家 西村佳哲氏による、いろんなひとの「働き方」の本。職場を訪ねてインタビューしまくってるので生き生きしてる。自己啓発の本とかよりずっと具体的でずっと面白くて好き。いまはもう亡くなってしまってるけどその製品や空間が好きだったなーっていう、柳宗理さん、ヨーガンレールさん、馬場浩史さんなんかの話は、そのひとらしさがそのひとの仕事らしさになっていて、かっこいい。そんなのは有名なひとだからだとか、秀でたひとだからだと言うのは簡単だけど、あなたはそう言って逃げてませんか?と追っかけてくる本。「社畜」と甘えたコトバをつかうひとは146ページからの「仕事を自分の仕事にする」というトコを読むと、ぎくっとするかもしれない。しなかったらまさに「社畜」か。
美術展に行ってこの本を読もうってなるのは結構あって、知識と知識の芋づる式しりとりみたいな読書は、できるだけやろうと思ってます。「白」にも「自分の仕事をつくる」にも、無印良品を美しくしあげた原研哉さんと深澤直人さんがいるし、深澤直人さんはいま日本民藝館の館長に就任されていて、それは言わずもがな、柳宗理さんの父・柳宗悦が興した民藝運動の美術館。「用の美」を追求する民藝運動は益子や松本、鳥取などでも盛んに活動が行われ、ちょっと前の益子ではスターネットの馬場浩史さんの活動は今風の民藝運動なのかもしれないなんて感じていました。家で麦茶を沸かしている柳宗理さんデザインのヤカンが、利休以来の新しい用の美を提唱する民藝運動の端の端にいる、そんな面白いやつなのかもしれないなんて思うと、毎日の暮らしもおもしろくなっていく気がします。人生を豊かに面白くするのは、情報や知識をどうやってじぶん自身に落とし込んで楽しむかってことなんだと思う。

